東海大学電気電子工学会
―― 題字:創設者・松前重義先生
東海大学 電気電子工学会の発足
   ― 「先駆け」と「建学の理念」の実現 ―
東海大学電気電子工学会 初代会長 中村 宏

電気電子工学会 初代会長 中村 宏

数年前のある日、岡部昭三氏(東海大学名誉教授) から「電気工学会と電子工学・エレクトロニクス同窓会は一緒になったらどうだろうか。」とのお話がありました。

現状の学科名は工学部電気電子工学科であり、日頃からホームカミングデー、卒業研究発表会後の謝恩会などで両同窓会は具体的な交流がありました。また、木村英樹教授、庄善之教授とは、学生および新しいOB、OGが参加した学科同窓会の活性化が必要と考え活動を行なってきました。鳥羽瀬正一氏(元、電子工学同窓会会長)からは、「若い人の考えで進めていけば良いよ。」との言葉も頂いていました。

母校東海大学は創立75周年を迎え、創立100周年に向けての新たな歩みを始めるときにとの、尾郷良幸氏(電気工学会元会長)、田中慶秋氏(同会長)の強い思いも受けて、東海大学電気電子工学会設立に向けた事務局を立ち上げ、何度も会合を開催し議論をしました。

議論の原点は現在の電気電子工学科は、東海大学設立以来存続してきた工学部電気工学科を母体としており、学科設立から既に17年が経過し、これまでの間に2千名を越える卒業生を輩出し、今後も続く人達の学科同窓会の活動の活性化です。

2017年11月3日にそれぞれの同窓会で統合が了承され、本年2018年4月1日に「東海大学電気電子工学会」が新役員体制でスタートしました。学科同窓会の人数は2万3千836名であり、東海大学内でトップです。

母校東海大学は創立者松前重義博士が1936年(昭和11年)に開設された「望星学塾」を母胎として設立されました。その建学の理念は「物質文明と精神文明の調和と融合、世界平和に貢献する。」そして、「先駆け」です。それは長距離電話回線に無装荷ケーブルの使用を提案し、研究、実用化されるときに具体的に示されています。著書「発明記」の中では「着想や創意工夫は単なる頭の良さや、その人の器用さから生まれるものではなく、その人の抱いている思想の根底の上に生まれるものだと信じている。」、そして開発や実用化に当たって「本方式を構成する部品ならびに材料および特許は純国産のものであること。」という条件をつけました。さらに実験、実用化に向けての試験の段階で既に北半球一周のリンクを発想しています。私はそれを「平和のリンク」と称しています。「先駆け」、「文理融合」に「世界平和」が強くみえます。

今、世界では「自分本位のみ」がいたるところいたる人々に見えます。世界的な戦争に繋がりかねません。

東海大学の創立思想や教育理念、現代文明論を学んだ私達OB、OGは「歴史観=歴史的な世界の構造やその発展についての体系的見方や世界観=世界全体を関連できる見方、人生観=人生の持つ意味や人生に対する態度についての考え方を培って自分なりにまとまった考えを持つ」地道な努力を傾注することだと思います。

ぜひ、OB・OGみなさんで、母校東海大学の建学際に集い、大学時代の懐かしい仲間と一緒に思い出を語る日としましょう。電気電子工学科の在学生が電気の不思議、楽しさを伝える体験型イベントも恒例となりました。後輩達の活躍を見て、励まして頂きたいと思います。

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